珈琲のはなし

コーヒーブレイク〜ソーサーでコーヒーを飲んだヨーロッパの貴婦人たち

歴史

ヨーロッパでコーヒーを飲む文化は、18世紀頃から一気に浸透し始めました。その時、日本や中国で作られていた白磁陶器が、カップとして愛用されていたんです。

その飲み方も、現代では珍しいスタイルでした。

コーヒーブームと共に、中国、日本の白磁が人気になったヨーロッパ

18世紀の初め頃、コーヒーはヨーロッパでも飲まれ始め、徐々に人気が高まりました。

同時に、「コーヒーのブラウンや紅茶の水色(すいしょく)が映える」ということで、白磁のカップが持てはやされるようになります。

中国の景徳鎮(けいとくちん)や日本の伊万里(いまり)などに人気が集まり、多く輸入されるようになりました。

これらの白磁は、すべて湯飲みの形をしていて、持ち手はありませんでした。

当時、コーヒーはトルコ式に煮出して、冷ましてからうわずみだけを飲むというスタイルだったと言われています。

当時の貴婦人は、熱いコーヒーをソーサー(受け皿)に乗せたカップに移し変えて、冷ましてから飲んでいたんだとか。

ドイツのヨーロッパ発の白磁が製造

その後1709年に、ドイツのマイセンでヨーロッパ発の白磁製造が成功します。

作ったのは“インチキ錬金術師”ベドガー。彼に製作を命じたのは、時の権力者である選帝侯フリードリヒ・アウグストでした。

持ち手付きのカップが主流になったのは、さらに時代が流れた1730年以降のことでした。

それに先立ち、1670年〜1690年頃には、カップにソーサーが付いていたと考えられています。

それ以前の1659年、伊万里よりオランダの東インド会社を通じて、八角形のカップが600組輸出された記録が残されています。

そのうちの1つが日本に里帰り。貴重な史料として展示されています。